東京都文京区長 成澤廣修区長インタビュー

文京区は、男女平等・女性活躍にむけて多くの取り組みを行っている、日本を代表する自治体の一つです。今回は、同区首長であり、2010年に日本の男性首長で初めて育児休暇を取った成澤氏に「女性が活躍する社会」をテーマについてお話を伺いました。

 

1.WAW!のミッションに共感されアドバイザーに就任した背景を教えてください

UN Women(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関)の日本事務所が文京区役所に設置されたのは、初めてWAW!が開催された翌年であり、同時期にWAW!が始まったことで、個人的にWAW!とは強いつながりを感じていました。日本の女子高等教育機関が開設され、そこで学んだ平塚らいてうをはじめとする女性たちが青鞜を発刊したことなど、文京区は日本の女性の歴史を語るうえで欠かせない地だと考えています。私自身も日本の首長で初の育児休暇を宣言し、取得しました。また、かねてより、女性の活躍は男性とともにあるのだ、という思いがあったことから、男性として何かできることがあるのではないかと考え、アドバイザーを引き受けました。

 

2.“女性が活躍する社会”とはどのような社会とお考えでしょうか

女性活躍、というと「キラキラ輝く、バイリンガルで、上場企業役員のスーパーウーマン」をモデルとして考えがちです。ですが、実際には、賃金格差などの男女差を解消していくことで、男も女も関係なく、自分自身のキャリアや家庭での役割分担をカスタマイズできる社会こそが“女性が活躍する社会“なのではないでしょうか。大切なのは、女性たちが、会社の役員になるにしても、専業主婦になるにしても、それを喜んで選べているかということ。さらに言えば、会社でどう生きていくかだけではなく、仕事以外で輝くという選択肢も取れるべきであるということです。そのための手段の一つとして私自身、規則や社則に反しない範囲で副業を行うことも積極的に勧めています。家族は家族でカスタマイズ、自分は自分で頑張る場所を見つけられれば良いのではないでしょうか。

 

3.それに向けて、既にご自身が取り組まれていること、これから取り組んでいきたいことがあれば教えてください

現在文京区役所には、ダイバーシティ推進担当を設置しています。なぜなら、男女平等を考えるには、従来の理解のない男性と権利を勝ち取る女性の対立構造ばかりに目を向けるのではなく、男性と女性がともに協力していくことが大切だからです。また、男女の枠を超えたその先には、包括概念のダイバーシティの考え方が存在していると思います。

そして、シングルマザーの家庭など、相対的貧困にある家庭を援助するために「子ども宅食」を実施しています。

今後は、男女とも、お金の不足でやりたいことができなくならないように、義務教育の次のステップである高校進学のための塾代の補助、その後の高校生活で必要となる制服のお金の補助などを総合的に組み立てていく必要があると感じています。

 

 4.特に若い世代の活躍を支援するために、企業・団体・自治体などで取り組んでいくべきことはありますでしょうか

企業としては育休に関する制度を整えるべきであり、上司が部下に対してその制度を利用させるようにするべきでしょう。

特に男性が育休をとりにくい理由に関しては、キャリアロスよりも「自分が休むと他の人に迷惑がかかる」と感じてしまう、心の壁の方が大きいのではないかと考えています。だからこそ、誰しも育休を必要とする可能性があることを、会社がしっかり伝えていくべきだと思います。ただし、これは育休を全員にとらせるべきだということではありません。また、育児をしている時と新しい家を買うタイミングは重なるといわれていますが、育休をとった場合、多くの企業では給料を減額されるので、育休をとることができない人がいます。その対策として有休を年20日+育児介護用の有給休暇と分けて用意するのもよいと思います。キャリアロスの面からも、年単位ではなく、日ごとに利用できる制度は使いやすいでしょう。

大学に関しては、もっと学生の学校外活動を評価していくべきだと思います。地域貢献として、学生にmanmaの活動への参加を奨励したり、シッター講習を行って、小学生の面倒をみてもらったりといった取り組みもいいのではないのでしょうか。待機児童が多い現在、そのような活動は地域から求められていることであると思います。

 

5.若い世代が自らその社会に貢献できることは何でしょうか

近年、晩婚化・晩産化が進んでいます。このことはつまり、将来の親の介護と子供の育児が重なってしまう可能性を高めています。若い人たちは自分が輝ける未来を描くためにも、今からキャリアデザインについて考えておくことが必要だと思います。

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国際女性会議
主催:日本国政府
日時:2017年11月1日(水)~3日(金・祝)
場所:東京プリンスホテル
SNS:Twitter @WAW_Japan / facebook @shineweeks

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